キャリアコンサルタントが必要とされる背景
・社会環境の変化
ここ10数年の間に日本の経済、及び、社会環境は大きく変化しました。バブル景気とその崩壊を経て、08年にはリーマンブラザーズの経営破綻をきっかけとした世界同時不況が始まりました。
そのような長い経済不況により、日本企業古来の雇用制度である終身雇用制度、年功序列の慣行は失われつつあります。雇用環境は大きな変化を遂げようとしています。
・個人の変化
一方各個人の仕事観にも変化が現れてきています。“ワークライフバランス”という単語に代表される、仕事だけでなく、余暇、人生の楽しみも重視する考え方や、自分の望む生き方に合わせた職業選択も少しずつ浸透し始めており、価値観は多様化しています。
このような社会、各個人の変化により、日本では様々な働き方が選択可能になりました。しかし、それと同時に1つの企業・組織における継続的・安定的な雇用状態の中で「キャリア」を築くことは、困難になりつつあります。自らの価値観・職業観・人生観に基づいて、自らキャリアを形成していく必要性が生じてきています。
企業におけるキャリアコンサルタントとは
企業では、従来の企業主導によるキャリア形成から、従業員が自らの責任で主体的にキャリアを形成するキャリア自律が求められるようになっています。また、事業環境の変化、事業の見直しと再編、事業の選択と集中などにより、これまでの仕事とは全く異なる仕事への異動・配置転換などキャリアチェンジをせざるを得ない従業員も多く発生 しています。
従業員のキャリア自律の支援や、キャリアの転機にある従業員の支援に おいて、企業内のキャリア・コンサルタントは重要な役割を担うことが期待されています。
企業内のキャリアコンサルタントに求められること
・多様なキャリア相談への対応
・個人の視点と組織の視点
・関連部門との連携
・変化への対応
キャリアコンサルティングの一例
・自己理解
・仕事理解
・啓発的経験
・意思決定
・方策の実行
・新たな仕事への適応
セルフ・キャリアドックで会社を元気にしましょう
セルフ・キャリアドックとは
定期的なキャリアコンサルティングとキャリア研修などを組み合わせて行う、従業員のキャリア形成を促進・支援することを目的とした総合的な仕組みのことです。
従業員にも、企業にもメリットが!!
従業員にとっては自らのキャリアを考えることで仕事に対するモチベーション向上につながり、企業にとっても人材の定着や従業員の意識向上を通じた組織活性化が期待されます。
ストレスチェック制度と併用
ストレスチェックとは労働者に自分のストレス状況についての気づきを促し、メンタルヘルス不調のリスクを低減させるために実施します。一次予防を目的とした検査です。うつ病などを診断するためのスクリーニングが目的ではありません。 また、事業者には、集団分析の分析に基づいて職場環境の改善に取り組むことが推奨されています。